人口フェチ① ~伊万里生まれの誇りとコンプレックス~
~世界の「Imari」~
我が故郷・伊万里市(佐賀県西部の市)は、本当に素晴らしい街です。
生まれ育った街だからという理由もありますが、隣町の有田町や唐津市とともに、伊万里焼・有田焼・唐津焼を主とした、日本における焼き物・陶磁器の一大生産拠点となっており、生産地兼日本各地や世界へ積み出す港の機能も持った伊万里は、工芸品界において “ 世界の「Imari(イマリ)」 ” と称されるほど、県名の「佐賀」より「伊万里」の方が世界的には有名とも言われています。
オシャレな(?)例え方をすれば、ドイツ連邦共和国における「マイセン(マイセン市)」のような感じです。
また、物品を鑑定する某番組などで「古伊万里」という様式の名称を耳にしたことがある人も多いと思います。
ちなみに、厳密で堅苦しく区分けの説明をすると、経済産業省では、伊万里有田焼と唐津焼の2つに大別され、産地や様式がほぼ共通の伊万里焼と有田焼は1件に統一して登録されています。
伊万里の人口という独自の “ ものさし ”
そんな誇らしい世界的名物があり、街にも伊万里焼のオブジェや、有田と共に、趣のある煙突が素敵な窯元の街並みを楽しめるエリアもある伊万里市ですが、伊万里の中心街はネームバリューの割にはかなりコンパクトで人通りも少なく、昭和の炭鉱需要があったときの最盛期8万人いた人口も、今や5万人台にまで落ち込んでいます。
もちろん、自然の豊かさや伝統工芸の街の落ち着いた雰囲気という観点からは、ごちゃごちゃしていない雰囲気は心地好い部分もあります。
ですが、伊万里の西隣町には長崎県佐世保市という伊万里市の4倍ほどの人口を有する都市があり、佐賀県の東隣にある福岡県久留米市と共に、佐賀県最大の都市・佐賀市より大きな都市が県の東西隣りを挟み、更には佐賀県の山並みを越えた北隣には、人口150万人超の日本有数の大都市・福岡市があり、父がよくドライブで伊万里市外に連れていってもらったときは、ちょいちょい伊万里より規模の大きな街並みを眺めて、感動したり圧倒されたりして、伊万里より大きな都市への憧れを年々高めていました。
そんな私は、伊万里市が人口10万人に達していないことから、市の人口10万人を超えていればもう大きな街として軽い興奮を覚えますし、人口100万人を超える大都市は名前を見るだけで何だか感じちゃってしまう変態で(苦笑)、伊万里より人口規模が大きいか小さいかが私の尺度の一つとして根付いています。
伊万里市に誇りを持っている分、せめて人口10万人規模に栄えて活気のある街に出来ないものかと、なかなか叶えるのが難しい夢を日々抱いている、自称地理学者であります。