スパイシーな地理学者の比較して覚えやすい国旗の話④ ~日出ずる国~
正月「初日の出」での親子の会話
家族で初日の出を見にいって、その帰りの車内でのこと。
ラジオから「世界で一番早く初日の出を見れる国は?」という軽いクイズが聞こえてきました。
「日出ずる国」とも呼ばれる、我が国「日本」も確かに、アジア大陸から見たら、かなり早く初日の出を拝める国ではありますし、そのクイズに対して「う~ん、日本?」的な反応をする人も結構いるのではないかと思います。
当時、高校生だった私は「キリバス。」
…と独り言程度の声で即答し、その直後、ラジオから「正解は、キリバスです!」と流れると、父がなかなかのテンションで驚いてくれまして、
普段人前で息子のことを誉めることをあまりしない父が、その後の正月親戚挨拶の席で、私のその初日の出クイズの即答っぷりを何だか嬉しそうに伯父さん達に話しているのをちょっと遠目に、ちょっぴり照れながら御節料理を食べたという思い出があります。
「キリバス」は太平洋にある島国で、日付変更線をまたぐように広く島々が点在していることを知っていたので、地理学好きならまあまあ即答出来るクイズネタではあります。
細かいことを言うと、その思い出の数年後に「サモア」という国が、日付変更線より東側に位置する国でありながら日付の設定を制度として西側に変更したため、「首都」の位置では、「キリバス」より「サモア」の方が、世界で一番早く日の出を拝めることになります。
それでも、「キリバス」の島々の中には「サモア」よりもっと東側に点在している島もあるので、国土・領土ベースで考えれば、今も「キリバス」が「世界で一番早く日の出を拝める国」と言えます。
そんな、世界の決め事上で “ 日出ずる国 ” ・キリバス共和国の国旗
正に “ 日出ずる国 ” に相応しいデザインです♪
◆自説・国旗のざっくり3つの分類
①太陽や星や月など天体が描かれている
②縦でも横でも斜めでも、2色旗・3色旗・4色旗…といった色分けをベースとしている
③動植物やクロスや文字など、天体の他で象徴となるものを中心としている
⇒①天体が描かれているーー太陽や満月など円形のデザインとなる天体が際立つ国旗、アジア・太平洋・欧州編
先ほどの事実上の日出ずる国・キリバスに対して、歴史的に “ 日出ずる国 ”
ご存知、日本国の国旗「日の丸」
そして、日本の国旗を参照にしたと言われる国旗を制定しているのが「バングラデシュ」と「パラオ」の二国。
バングラデシュ人民共和国(南アジア)の国旗
イスラムの伝統色である緑に、民衆の血潮と太陽を表す赤い円が、やや旗竿側(ホイスト)に寄ったデザイン。
パラオ共和国(太平洋)の国旗
1921年~1945年は日本の委任統治領で、物凄い親日国。旗の円は太陽かと思いきや、意外?にも「満月」を表しています。
こちらも、やや旗竿側(ホイスト)に寄ったデザイン。
ここからは、アジア・太平洋・欧州の国々の国旗の中で、太陽や満月を比較的分かりやすく表現した国旗を紹介します。
大韓民国(東アジア)
中央の円は “ 陰と陽 ” を表し、天体で言えば「月と太陽」を表していますが、他にもいくつかの対になるものを表しています。
ラオス人民民主共和国(東南アジア)
※中央の円は「満月」
マケドニア=旧ユーゴスラビア共和国(欧州)
※中央の円は「ベルギナの星」(≒太陽と言われています)
カザフスタン共和国(中央アジア)
※太陽と動物と装飾の象徴組み合わせ
フィリピン共和国(東南アジア)
※3色デザイン+太陽と星
太陽はやはりとても偉大で象徴的な存在であるので、今回紹介した国旗も含めかなりの国々の旗に太陽を表すデザインがありますので、次回以降にもっと紹介していきます。